青年海外協力隊はアマチュア。参加前〜1年経過。(現実、実態、目標)
協力隊を技術集団やプロ集団だと思っている人もいるけど、確実にアマチュアである。別に協力隊を否定しているわけではない。
NPO法人宇宙船地球号山本氏のブログや書籍にはっきりと書いてある。
僕は書籍とブログを読んだ上で、OBOGの話も繰り返し聞き、「協力隊はアマチュア」とわかった上で参加した。むしろ初めから知っておいた上で、参加してとても良かったと思う。
協力隊がアマチュアな理由
・活動成果を求められない。具体的に成果を図る仕組みも人もいない。
・協力隊自身の評価もない。報国会等あるものの、結局、みんな元気でよかったねで終わる。
・報告書はあるが、ほぼ感想文。報告書の項目にも、「任国外旅行」「食事」「文化」などと、文化体験の側面が見受けられる。
・専門性がなくても受かる。実務経験を求められる場合もあるが、新卒や、経験がなくても、ちょっと経験が職種と被っていれば受かる場合もある。
以上が理由、山本氏のブログとほぼ一緒。
僕は開発業界で専門家として仕事できることを夢に見ている。
ODAはもちろん税金なので、「税金をなぜ投じるのか。ODAを投じるべき課題なのか。」、「最も効果的な投入はどういった金額、方法か。」、「経過はどうか、修正は必要か。」、「結果はどうであったか。」という具合に、成果にシビアである。
評価専門のコンサルチームがいるくらいだから、成果にシビアである。
慶應義塾大学で行われた、河野外務大臣の講演にもこういったセリフがあった。
『金額の順位ではなく、税金から出すODAでどういう効果が出ているのか、何が現場で起きているのかが、その効果を最大化することが大事なのです。』
また、
『日本のODAはこれから結果にコミットしていかなければいけない』
とある。
結果にコミットするということは、投入される、ヒト・モノ・カネで、効率的に最大限の成果をあげるということだ。
協力隊は違うと思う。
そんなことしてたら、青年がその土地の、文化や風習を楽しむことはできない!
じゃあ協力隊はなんなのか。何が楽しいのか。
社会貢献をしてやるぞと思っている人にとっては、参加意味ないのか。
協力隊は、「国際協力のスタートラインに立つ」ために、最善策の1つだと思っている。
言わずもがな、開発業界で働くということには、条件がある。
以上がないと、そもそも相手にされない。
国連関連のポスト、開発コンサルのポスト、JICA専門家のポスト、様々なポストの参加資格要件をチェックしているが、上記が必要である。
(正確には、修士号はなくても募集している場合もあるが、高度な専門性を求められないポストが多い。自分の専門分野で勝負して行きたいのなら、やはり修士号だと思う。)
協力隊に参加すると、
- 高度な語学力
- 開発途上国での実務経験
の2つを手に入れるチャンスになる。語学はもちろん自分でも磨かないといけないけど。
しかもJICAというバックアップがあり、配属先はあるし、手当や保険もある。
JICA関連の技術プロジェクトの専門家と会えるチャンスもある。
結局、いい制度。やっと、スタートラインに立てると思うとワクワクする。
性質は初めから知っておけばいい。
協力隊でよくあるあるなのが
- カウンターパートがいない。(配属先に一緒に働く人を決めてもらうことになっている)
- 配属先に仕事がない
- ボランティア申請時から時間経っているので、呼んだ人がいないとか、呼んだ時から状況が変わっている。
そのほか、国や場所によって色々あるだろう。
でも、初めから、知っておけばそんなにショックも起きない。いい意味で諦められるし、開発業界でのキャリアを目指すならいい勉強になる。
- 「そうか、日本の働き方と違う。責任を最後まで取るってことはしないんだな」とか
- 「約束事にはルーズだ」とか
- 「援助はもらえたらラッキーって思ってて、自分から手を動かそうとはしないんだな」とか
だって、国際協力の仕事って、そういう問題とも付き合っていくことのはず。
現地の人と一緒に手を取り合って進めていこうとしても、「え?技術協力?お金くれるんじゃなかったの?」って平気で言われることもあるはず。
それが、援助の歴史と現状なんだからしょうがない。
期待しすぎず、諦めすぎず
とはいえ、ショックなこともある。せっかく頑張っていても、誰もついてきてくれない。頑張る意味あるのかって思うこともある。
高い目標を掲げすぎてるときっと疲れると思う。というか、日本から高い目標持ってきても、相手国の人はそれ聞く意味あるんか?って思う。
現状を毎日受け止めて、自分のために、相手国のために、少しだけいいことしようっていうくらいが、自分には丁度いいんじゃないでしょうか。
今週も何回も約束破られて、忘れられたけど、何となくいい方向に活動は進んでいきます。